IT業界から音楽業界に転職して5年目になるのですが、改めてこの業界に入って良かった/きついなと感じることを列挙していきたいと思います。
転職考えている方や学生の方の参考になれば幸いです。
・良かったこと
「仕事=時間の切り売りでは無くなった」
IT業界にいた頃は上述した文字通り仕事を時間の切り売りのように感じていて、出社した瞬間から定時の5時まで時計と睨めっこするような感覚で仕事をしていました。
今の音楽の仕事をするようになってからは、そのような感覚はありません。その理由は、まあそれなりに好きなことを仕事にしているし、そもそもフレックスなので定時とかいう概念が無いから、というところでしょうか。
「サザエさん症候群の消滅」
週末になるとやってくる所謂サザエさん症候群ですが、IT業界の頃、これが結構キツかったです。今じゃあまり考えられませんが、本当に日曜の夜は月曜からの仕事が憂鬱過ぎて動悸が酷くなることすらありました。現在もプレッシャーのかかる仕事を前にするとが不安で仕方がないことは多々ありますが、そこはやはり、やりたい仕事かそうでないかで心構えが大きく異なります。能動的に不安を取りに行けているかどうか、というか。IT業界の時のやらされている受動的な不安は耐え難かったですね。これは好きを仕事にすることの1番の強みだと思います。
「尊敬しやすい人が多い」
これは、転職するまでは想像もしていなかっとことなのですが、自分のやりたいことを職業にすると周囲に自分の理想に近い人が多いので、尊敬させて貰える人と絡める機会が多くなります。入る会社によりますが、前の会社は自分の会社と自分自身もバカにしているような人が多くて、「ここで一生を終えるのか。」という絶望感があったのを今文章を打っていて思い出しました。
・きついこと
「REC現場怖すぎ問題」
簡単に言うと、ディレクターはアシスタントエンジニアをマウスやキーボードみたいに考えています。笑
パソコンが自分の思うように動かなかったり、フリーズしたりするとイライラする感覚あるじゃ無いですか。アシスタントエンジニアがしくるとディレクターが切れるのはそれに似てる気がします。笑
だからレコーディング前は可能な限り準備するようにしているのですが、仮歌のRECだとプログラムの先読みが難しいし、1日に4曲録ることもあるので全部の準備はできません。返って準備のしすぎが自分の首を絞めていくこともあるので、その場の対応力を身につけなくてはなりません。
「立派な赤ちゃんみたいな人が多い」
音楽に詳しいし、話していて面白い人が多いのは上述した通りなのですが、
思ったことをそのまま言っちゃう人がとても多く、全てを間に受けているとメンタルが持ちません。
お腹が減ってるから機嫌が悪い、みたいなことも全然あります。
また、ビジネスメールを書ける人がほとんどいません。
「舐められない努力をしなきゃいけない」
これは営業職の人でも言えると思うし、専門的な仕事をしている人全般に言えると思うのですが、舐められ始めると仕事がとてもし辛い、と言うところです。
やはり音響、という目に見えない専門的なものを扱う分野なので、「音が良さそうな人は良さそうに聴こえてしまう」というのが確実にあります。そのためのパフォーマンス、では無いですけど普段の立ち振る舞いは非常に大切になります。声が大きいとか、全てに理由を用意するとか、はたまたスピってそうな音響商品を持ち歩くとか。
ここは本当にもっとうまく立ち回るべきだったなーと思うところですね。自分は謙虚に振る舞い過ぎた気がします。謙虚と言うと聞こえは良いですが、自分の弱さを出し過ぎる感じに振る舞ってきてしまったなと。
他業界から転職してきたので音楽業界で活躍してる人たちがみんなピカピカに見え過ぎて「いやいや自分なんて…!」みたいな態度を取り過ぎましたね。まあ、これは性格もあるし仕方ないかぁ。
「休みが不定期」
私の会社は比較的休みが多い方なのですが、それでも急に仕事が飛び込むことが多いため完全に油断できる休日がなかなか無いです。
仕事のやり取りが基本LINEというのと、社内にディレクターがいるのでカジュアルに仕事が振られやすいためかと思います。
オンオフ自分でしっかりスイッチするか、それとも常にスイッチをオンにするか。そこら辺が最近の悩みですね。
「やりたきゃやれる、ということ」
やる気を買ってくれる人は多いような気がします。僕の自惚れとかでは無いはずですが、恐らく「この曲僕やりたいです」とディレクターに伝えれば何かしらで手伝わせてくれる気がします。
が、その自発性を出すことって僕なんかは結構怖く感じてしまう。改めて文面にするとくそダサいな。
だから、逆を言うとやりたいと言わなければ一生やらずに済んでしまうんですよね。事務所の社員なので仕事は他にもたくさんあるので。だからちょっとキツそうな仕事を振られた時はとりあえず「やれます」と深く考えずに早いレスポンスで返すようしています。
まとまりなくざっと書いてみましたが、
この業界に入って5年目の今考えていることはこんなところでしょうか。
それではまた!
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